御注意

携帯用の防犯アラーム(防犯ブザー)が流行っている(いるのか?)昨今であるが、120dB なんていう大音量を誇る機種でも手の中にしっかり握るか布でしっかりくるむかすれば、たちどころに 60dB 程度まで落とすことが可能である。使用している電池はボタン電池*1がほとんどなので、数分でパワーダウンする*2。そもそも、防犯アラームを鳴らしたところで人が駆けつけてくれる可能性は非常に低い。数分鳴り続ける程度のアラーム音を聞いてもせいぜいが「なんか鳴ってるなぁ」と思うだけである*3。それがさらに「日常騒音程度の音量」では、護身系の防犯効果はまず期待できないと言ってよい。勿論、窃盗系の犯罪には一定の効力を有するであろうから、そういう目的でカバンや財布につけておくのは良いかもしれない。
防犯アラームを不本意に鳴らされた場合は、躊躇せず奪ってしっかり握りこめばよい。アタッシュケースなどしっかりしたカバンがあれば、入れて閉じてしまってもよい。鳴りっぱなしにしておけばじきに電池が切れて止まる。(※次エントリにて訂正記述あり。)
いっぽう、鳴らす側は、大音量に敵が一瞬ひるむ隙を作る程度の道具と思って、次のアクション*4を必ず考えておかねばならない。参考までに、大抵の防犯アラームは簡単に電池を外せないようになっているし、耐衝撃性も確保されているので投げつけたり踏んづけたりしてもアラーム音が止まることはない。だから、すかさず手の届かないところにぽいと投げてしまうのもひとつだ。
なお、「防犯ブザーは必ずテストをして、鳴るかどうか確認しておいてください。」と一般に言われるが、テストで鳴らせば当然そのぶん電池は消耗する。いざというときのためには、あんまりしょっちゅうテストするのも考えものだ*5
結論的にまとめれば、携帯用防犯アラームは、出来心で犯罪を犯そうとような(あるいは金品窃盗目的の)犯罪者に対する抑止力として、また、「私は被害者にならない(なりたくない)」という防犯意識の高さをアピールするための小道具として機能するものであり、決してそれ以上ではないということである。
そういえば余談だが、携帯電話に防犯アラームがついているものってまだ発売されていないみたいだけど、そういうニーズは無いのだろうか。あっても作れないということだろうか。

*1:大抵が LR44 若しくは SR44 だが購入時最初に入っている電池はほとんどがパワーのない LR44 のほうである。
いずれにせよ、ボタン電池は高出力に適していない。そもそも大電流は取り出せないわけだがそれでも無理矢理抜こうとすると電圧降下が極端に早くなったりする(=すぐ消耗する)。

*2:たまに 23A という 12V の電池を使用しているものがありこちらは若干の高出力を期待できるが、実際はそう変わらないと思われる。

*3:あとで警察やマスコミに「そういえば…午前 1時頃、なんかアラームみたいな音が聞こえてて、うるさいなぁとは思ってたのよね」などという証言をして、事件の時刻割り出しなどには役立つことになるだろう。
だがそれでは、遅いのである。

*4:具体的には、「逃げる」

*5:とはいえ、一度は音を聞いておくべきである。特に過敏な傾向のある人の場合、アラーム音に犯人よりも過剰に反応してしまい回避行動が遅れる危険性があるからだ。また、実際「言うほど大した音圧ではない」ということも、体験として知っておくべきである。

追記。

↑と、何のため(と言うか誰のため)だかわからない文章を書いたわけだが、ふと自分で書いた内容が気になって、検証実験をしてみた。用意したのは普通の文房具店で購入した普通の防犯アラーム。価格は \1,000.- 弱。電池は LR44 × 3個、ほぼ新品。(因みに秋月電子で購入した通常品。)
結果、約25分で音調が変化するも音量はほぼ変化無し。約32分で音量低下、その 30秒ほどのちに完全停止。テスト後に電池を取り出してみると熱を持っていたので休ませてから再びテストしてみると、最大音量と同じ音量で 約2分30秒鳴り続けた。
想像以上に大音量が持続した。これなら防犯効果も期待できるかもしれない。深夜、家の前で 20分以上けたたましいアラームが鳴り続けば、流石に様子を見に出るだろう。握っていれば確かに音量低下するが、そのままで 30分間はかなりつらいだろう。
ただし、全ての防犯アラームでこの性能を期待してよいかというとそういうことではない。実際、私(おうる)が今回実験に使用したものも、最初に入っていた電池では数分程度も持たなかったからだ。それと、大抵の防犯アラームは防水構造にはなっていないので、水に浸ければ止まる(はず。これは勿体ないので実験は省略)。
あと、Docomoキッズケータイには防犯ブザー機能が付いているらしい。