ケッカオーライ

朝、出掛けにセットした除湿器が夜、帰宅後も動作していた。1時間のタイマーをセットしたつもりだったのだが、空振りしたようだ。タンクにはそれ相応の水が貯まっていた。
家の中はそれ相応にカリッとしていた。電気代はちょっとアレだが、まあ、よしとしておこう。

訃報

倉橋由美子さんが亡くなったそうだ。6月10日、享年 69歳。香雪ジャーナルにて知る。私(おうる)は翻訳家としての彼女しか知らないのだが、絵本や児童小説の翻訳とは正味な話、限りなく創作に近いともいえるかもしれない。
御冥福を

その暗雲たる未来日記は実は既にそこにある過去日記に発端するのかもしれない

折しも、TV では韓国大手「サイネット」サイワールド*1の程無き日本上陸を告げる*2。韓国では国民の 1/3 が登録しているとも言われる無料の SNS である。その特徴は、こぞってプライバシーを登録する会員たち。顔写真は言うに及ばず、日本ではほぼ定着している「ネット上に住所・電話番号をさらしてはいけない*3」という「常識」も全く通用しない。子供の写真は勿論のこと、友人の写真まで無許可で実名付きで掲載アタリマエ、友人リストから飛べばその「友人」の個人情報が……………!!!
こんなものが日本で普及するとは思えない。…思えないのだが、それは決して、笑って看過できるものではない。

しまけんさんのところからの誘導により、キリコさんのところから辿った。blog に始まり blog にて完結しているこの「よくできた未来予想図」は、blog (あるいはネットそのもの)に対する問題提起を「程良い味付け」で演出している。すべてを blog の内世界で表現することによりその皮肉さをより浮き彫りにしている。しかしこのことは、そのテイストを強める方向ばかりに作用しているわけではない。有り体に言えば、blog の中のみの表現で表現されているからこそ、読者は檻の外から眺めることができるのであって、もしなんらかの方法でこれ以上のリアリティを出された場合には精神的均衡を保つことができるか、正直私(おうる)は心許ない。
私(おうる)は、「私」が実社会的に何者であるのか、をここ(研究所跡地)で知ってもらう必要はないと考えているが、私(おうる)自身の意図に反し、そういうような情報の断片を結果的にはここで少しずつ垂れ流している。少しずつではあっても、蓄積すればそれは相当な量となり、数年もすれば 480 × 640pixel のピースサイン付き顔写真を、携帯番号を添えてネット上にあげるのと変わらない事態を呼ぶのかもしれない。
韓国に留学し、件のネットで個人情報と顔写真を掲載していた日本人は、日本のテレビ局の取材を受けてその直後、個人情報*4をすべて非公開設定に直していた。その女性も遅蒔きにではあるが、あっけないほど簡単に第三者が核心的個人情報へと容易に触れうる事実について本能的恐怖を感じたようであった。実際、ネットで個人を(容易に)特定できることにより被害を被る人が、韓国においても現れ始めていると番組は具体例を挙げて報じる。当然だろ、と思う反面、その彼の「直接的な個人情報」と私(おうる)の「婉曲的な個人情報」の差異といえば、単純に(具体的個人へと)辿り着くまでの所要時間(の長短)の問題なのかもしれない、という恐怖を禁じ得ない自分がいる。
そんな、普通に考えれば、ネット上にしるした記述の一体どこまでが安全で常識的であり、またどこから先が危険で非常識的なのかなんて、ちょっと考えればわかるだろう、と思うかもしれない。しかし残念ながら、当時(数年前)の私(おうる)は、それがわからなかった。友人から婉曲に警告をもらっていたにもかかわらず、自分の行為の愚かなることに気付かなかった。痛い目に遭って初めて、自分のしていたことを思い知った。私(おうる)は、遅ればせながら学び、遅蒔きの授業料として高い代償を支払った。
周りにどれほどの迷惑をかけたかは正直わからないが、とりあえず、実害は及ばなかった。独り者故、他の人間が私(おうる)と同じものを被る理不尽は無かった。しかし、それで済んだ話では、無いという気がする。私(おうる)は今の今でも「間違ったこと」をし続けているのかもしれない、という恐怖に駆られる。吐き出さずにはおれない日々のあれこれ。しかし、誰かがそれを見てにやにやとほくそ笑み、罵り、なにかを企んでいるのではないかという思いが拭えない。そしてそれは、今日、笑顔で会話を交わしたあいつかもしれない、という、人間不信。
私は、我々は、このままどこへ行くのだろうか。
 
…とかなんとか、一体なにを語っちゃってるんだろう。阿呆か俺。
ともかく、ここにふらりと遊びに来るような皆様、即ちなんらかのかたちで日常的に blog と触れているひとはいちど、上掲コンテンツに目を通してみるといいのではないかと思う。趣向に対する好みは分かれると思うが、いいたいことはわかるのではないかと思う。
心の「よこあたま」をいきなり革ベルトでしたたかに殴られたような「衝撃」を。

*1:2005/12/04 修正。なんと、日本本格上陸は明日、2005/12/05 だそうだ(http://jp.cyworld.com/)。なんというタイミング。

*2:WBS @テレビ東京

*3:一般には、メールで特定の相手に流すことさえ、ともすれば危険を伴う、というのが日本国内における通念である、と私(おうる)は認識している。

*4:番組では、取材の会話中に彼女の大学での研究内容と将来の夢に話題が及んだとき、表情が一変した、と言っていた。